新世界交響楽

 12月のしんしんとした寒さの中、酒場は忘年会シーズンからかいつもより賑わっているようだ。

 私は軽い食事を済ませ、シャワーを浴び、ビールを一杯ひっかけた後、外へ出た。

 久しぶりに夜空を見上げると、月が出ていた。

 とても綺麗で、少しだけ心が躍る。

 偶然が重なったため当初予定していなかった外出なのだが、私は1人いつものライブハウスへと赴いた。

 ライブハウス・・・

 最近では、自分が演奏する時以外に足を運ぶことは殆どなくなっていた。

 (子どもがいると、自然とそうなっていくのかな・・・。)

 そんなことを考えながら中へ入ろうとすると、重たい鉄の扉が閉まっている。

 いつもなら開いている扉のはずなのだが・・・

 開けようとすると死角になって見えない所(真横なんだがいつもの感覚では死角)から男の声がした。

 「いらっしゃいませ。」

 ちょっとビックリしたが、そこは受付であった。

 男は一見普通の青年であるし感じもいい。

 いつもは扉の中の会場内で受付けるのだが、完全に意表をつかれた。

 習慣とは怖いものだな・・・

 入場料を支払うと、男は私の右の手の甲に赤いマジックで「14」と記した。

 そして「楽しんできてください。」と言ってニコリと笑った。

 扉を開けると、そこは一瞬真っ暗に見えた。気のせいなのだがやはりいつもとは様子が違う。

 緑色の髪の女の子がやたら目につく・・・

 そして私も含めて眼鏡の人が多い・・・

 会場を彩る数多のレーザーに視界をやられてしまう。

 その光の向こうで確かな記憶が甦った・・・。

 ここはいつぞや紛れ込んだ・・

 あの夢幻の世界

 あの世界が、バーではなくてライブハウスに、突如現れたのだ。

 部外者は何人たりとも近づけないと言わんばかりの黒いカーテン。

 アニメーションの世界から飛び出してきたような6つのモニターを操るVJ。
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 そしてステージ上には扮装したDJ
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 金・・・

 銀・・・

 赤・・・青・・・・・・そして緑

 暗闇に紛れては現れ、そして消えていく色とりどりのシルエット

 そこは


 新世界


 目を奪われてボーっと立っていると、ふと目の前に、いつぞやの眼鏡の男がいるのを見つけた。

 今夜も声をかけてみようか・・・

 「久しぶりだね・・。」

 「あ・・・(!)。」

 「今日も1人で来たの?」

 「はい!」

 気のせいか、彼は少し大人になっていたようだった。

 この日も彼と交わした会話はそれだけだった。

 しかし、それだけでいいのだ。

 氏素性なんてどうでもいいことが、この世界にはあるのだ。

 それがこの世界の居心地の良さでもあるのかもしれない。




 この日はいつもより酔った・・そろそろ切り上げようか。

 会場はまだ熱気に包まれているようだが、明日も早い。

 この不思議な気分のままで、眠りにつくのが望ましい。

 いつもなら自転車で来る所だが、今夜は歩いて来た。

 いくら酔っているとはいえ、タクシーはあまり好きではない。

 やはり歩いて帰ろう。




 酔いどれながらの帰り道、また月を見上げる。

 この宇宙に絶対的に君臨する月

 こんな夜にふさわしい 

 狂った月だ。








 そういえばこの日は、1つだけ謎が解けた。



 この夢幻の世界の支配者は誰なのか・・



 秘かに暴かれたその姿を・・・・



 偶然手に入れた極秘画像です。



 命がけで公表します。


 
 何故なら、その男(?)は、ある筋の情報では



 海〇蔵事件の真犯人でもあるらしいので・・・




 命がけついでに加筆するなら



 彼(?)は「ぉ兄ちゃん」と呼ばれ(やはり彼だ)



 尻尾のようなもので手下を操っていた様子だった。



 ここまで書いたらもう・・・・



















 さよなら・・人類。






















 
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by aonekoroman | 2010-12-19 12:28 | 実録☆管理人の戯言  

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